水野浩一郎 新投資スタイルのススメ 第10回 | CFD

第10回 個別株CFD その2

水野浩一郎

こんにちは。FXOnline Japanの水野浩一郎です。

まずは毎号恒例となっている最新の取引ランキングを紹介いたします。FXOnlineでの12月のランキングです。スポット金の取引が史上最高ランキングの2位となりました。12月は史上最高値の1200ドルを記録した後に1100ドル割れまで下落するという荒っぽい相場になっていました。変動幅が大きかったので、その分取引が増えたようですね。以前にご紹介しました円建てのCFDについても2銘柄、7位と10位に顔を出しています。

1 日本225種株価指数(ミニ)
2 スポット金
3 ウォール街株価指数(ミニ)
4 スポット金(ミニ)
5 ウォール街株価指数
6 日本225種株価指数
7 ウォール街株価指数(円建て)
8 香港HS株価指数(ミニ)
9 ドイツ30種株価指数(ミニ)
10 スポット金(円建て)

さて今回も前回に引き続き、個別株式を参照資産とするCFDについて取り上げたいと思います。FXOnlineではどんな銘柄が取引されているのか、個別株の銘柄別ランキングを見てみることにしてみましょう。

1 三菱東京フィナンシャルグループ (8306)
2 東京建物 (8804)
3 ファーストリテイリング (9983)
4 日立 (6501)
5 T&Dホールディングス (8795)
6 TDK (6762)
7 レオパレス21 (8848)
8 Amazon.com (AMZN)
9 三井化学 (4183)
10 千代田化工建設 (6366)

なかなか特徴的なランキングですよね。やはり日本株がほとんどを占めています。これはIGグループ全体でも同様の傾向はあり、本国の株式のCFDが取引の中心となります。さてもう一度ランキングをしっかり見ていきましょう。1位の三菱UFJは12月22日、2位の東京建物は12月8日、4位の日立は12月15日、5位のT&Dホールディングスは12月17日、9位の三井化学は12月2日。謎かけみたいになってしまいましたが、これ分かりますか?

これらの銘柄はいずれも12月中に公募増資を行ったのです。公募増資とは企業が新株を発行することにより、投資家から資金を調達することです。では、いったいなぜ公募増資を行った銘柄をCFDで取引されたのでしょうか。公募増資を企業が発表すると幹事となっている証券会社は、新株を購入してもよいと考える投資家を探します。通常、公募増資をする際の新株の発行株価は、値決めが行われる日の取引所での株価から数パーセント安い価格に決まります。市場の既存の株式と同じ価格だったら、わざわざ新しい株を買う必要はないと思われてしまいますからね。投資家からみると、株式市場で取引されているよりも安い値段で株を取得できるチャンスです。しかし株価はいつどのように動くか分からないので、公募増資で投資した分を売り建てることでその利益を固めてしまうことができるのです。これまでは信用取引を使って公募増資のヘッジをかける方法しかありませんでしたが、ここにCFDを使ったヘッジという新しい手法が生まれたことになります。

CFDでショートを振った場合、一日をまたいで取り引きした場合には資金調達コストが発生します。今の日本の金利水準の場合で年率換算約1.9%の360日で割っただけのコストがかかることになります。また、たまに売り建てを行う場合に株式を借りてくる際のコストが発生することがあります。FXOnlineではこれを借株料と呼びます。あとは当然ながら手数料が発生します。これは取引金額の0.105%となります。これだけのコストを払っても利益が出るチャンスがあるのが公募増資の魅力ですね。今度、公募増資の案内が証券会社から来たら、CFDでヘッジできるかどうかも併せてチェックしてみるといいかもしれませんね。ちなみにこの公募増資をCFDでヘッジする手法は特に弊社でも宣伝したわけではないですが、静かに広まりを見せているようです。皆さん新しい投資手法に貪欲ですねぇ。素晴らしい。

また個別株式CFDは現状では信用取引を超えるレバレッジをかけられるという特長があります。すなわち、現物株投資や信用取引よりもより少ない金額で投資をすることができるということです。12月の取引ランキングの2位にはファーストリテイリングが登場しています。ユニクロで有名なファーストリテイリングですが、この株は株価が高いことでも有名です。昨年末に日経平均とTOPIXの比率であるNT倍率が上昇していたのは値がさ株であるファーストリテイリングの株価の上昇がその一因となっていました。原稿執筆時点での株価は15,270円、また現物株の最低取引単位である1単元は100株となっています。ということは現物株の投資を行うためには最低1,527,000円が必要ということになります。ちょっと敷居が高いですねぇ。

このファーストリテイリングをCFDで取引すると、いくらの資金からで取引できるのでしょうか?FXOnlineでは7,000株分までは証拠金率が10%、すなわちレバレッジ10倍となっています。また最低取引単位は1株となっていますので、最低取引金額は15,270円、必要な証拠金はその10分の1である1,527円があれば投資ができるということになります。もちろん最低手数料が往復で合計2,100円かかってしまうので、あまり現実的な投資ではありませんが、現物株との違いは歴然としています。

12月のファーストリテイリングの株価はヒートテックの大ヒットなどにより、上場来高値を更新するなど、マーケットの注目銘柄の一つとなっていました。しかし一方で150万円以上の資金がないと取引できないということで指をくわえているしか方法がありませんでした。CFDなら仮に100株分を取引するにしても15万円強の証拠金で取引することができました。またCFDでは最低取引数は1株分からとなっていますので、さらに小口で取引することもできます。またファーストリテイリングは上場来高値を記録する中で値幅も大きくなっていました。1日の値動きが大きいとデイトレ、スキャルピング的な取引がやりやすくなります。現物、信用取引においては決済が3営業日後に行われることになっているので、同じ銘柄を1日のうちに何度も取引するためには、その取引代金分が必要となります。一方でCFDであれば、決済は売買した価格の差額だけをその日のうちに決済してしまいます。そのため、少ない証拠金額で何度も同じ銘柄を取引することができるのです。

今回は個別株式をCFDで取引するメリットについて具体的な銘柄を見ながら説明しました。ちなみにFXOnlineで日本株のCFDを取引するためには、内部者登録等の手続きが必要となります。手続き等については弊社までお問い合わせくださいね。

雑誌「FX攻略.com」 4月号掲載