水野浩一郎 新投資スタイルのススメ 第3回 | CFD

第3回 バイナリーオプション投資戦略

水野浩一郎

バイナリーオプションの基本的な仕組み

こんにちは。FXOnline Japanの水野浩一郎です。引き続きバイナリーオプション(BO)は注目の的。ちなみに弊社の一番人気は日本の株価指数、次いでアメリカの株価指数となっています。またFXを参照資産とするバイナリー、USDJPYなども取引量が増えてきています。

さて、前回まででバイナリーオプションとはどういったものか、また値動きの特徴などを説明してきました。復習するとバイナリーオプションとはある定められた日時の参照資産の値動きを予想して投資する金融商品。たとえば「日経平均の終値が9500円以上となるかどうか」といったバイナリーとなります。なると思えば買いの取引、そこまで上昇していないと思えば売りの取引から開始します。このバイナリーの条件が満たされれば(すなわち日経平均が9500円以上で引ければ)、最終的な清算価格は100となり、満たされなかった場合(=日経平均が9500円未満で取引を終了した場合)、清算価格は0となります。

またバイナリーオプションの価格はその条件が満たされる可能性をパーセンテージでとらえればわかりやすいこと、取引終了間際にストライクプライス(バイナリーの条件となる価格)に参照資産が近い場合にはバイナリーオプションの価格が大きく変動することがあることをお伝えしてきました。

今回はバイナリーオプションの締めくくりとして、バイナリーオプションを用いた実際の投資戦略についていくつかご紹介したいと思います。

ヘッジ戦略

バイナリーオプションの取引期限は1日に設定されています。長期トレンドの中に現れる短期的な相場の揺り戻しをバイナリーオプションによってヘッジすることができます。

具体例を見ていきましょう。下記はUSDJPYの値動きです。直近のドル安傾向は行きすぎとみて、東京時間の朝方にすかさず買いポジションを保有しました。長期的には99円程度までを期待しています。買いポジションを保有して以降、相場は若干上昇していましたが、やや上値も重く、一旦相場は下落するとの心配が出てきました。
そこでちょうどストライクプライスが近かった97.60円のバイナリーオプションを売り、短期的な相場下落の影響を一部緩和することにしました。

保有ポジションは以下の通りです。

銘柄 売買 取引ロット数 約定価格
USD/JPY 買い 1ロット(100,000ドル) 97.536
USD/JPY 97.60より上昇 売り 0.5ロット 47.4

<図1> 相場は底を打ったと判断し、買いポジションを保有。

<図2> 若干上昇したが、上値が重い。

この2つのポジションから発生しうる損益をグラフで見てみましょう。

このような損益図となります。青のラインはUSDJPYのみの損益を示しています。当然、円高になれば損失が膨らむことになります。しかしここにバイナリーオプションの売りを組み合わせることによって、USDJPYが97.30円から97.59円までに若干の下落をしていた場合には、損益がプラスとなり、ヘッジを機能を持つことが確認できました。もちろんヘッジするためのコストがかかるので、円安方向に動いた場合の損益が下がることになります。今回の例ではバイナリーオプションの取引ロットを0.5ロットにしましたが、ロット数を増やすことで、より大きな下落をヘッジすることができるようになります。もちろん円安時はその分損益が悪くなることにはなりますが。

バイナリーオプションの清算はロンドンが夏時間の間は午後8時となります。あくまで午後8時のUSDJPYレートによってバイナリーオプションの損益が決まることになりますので、ご注意ください。

※為替のバイナリーの清算は夏時間/冬時間に関係なく、日本時間の午後8時固定に変更となりました。 

レンジ戦略

普通のオプション(いわゆるプットとかコールとかのオプションです)ではストラドル、ストラングルなどと呼ばれる戦略に似ています。

たとえば、USDJPYのバイナリーオプションがこのような価格で取引されていたとします。USDJPY相場は膠着していると考え、午後8時の時点で97.50円から98.50円のレンジに収まっていると想定します。その場合、97.50円以上のバイナリーを買い、98.50円以上のバイナリーを売ることで、その戦略をとることができます。97.50円以上のバイナリーの買値は86.3、98.50円以上のバイナリーの売値は10.3となっています。

最小取引単位である0.2ロットの取引の場合、保有ポジションは以下の通りです。

銘柄 売買 取引ロット数 約定価格
USD/JPY 98.50より上昇 売り 0.2ロット 10.3
USD/JPY 97.50より上昇 買い 0.2ロット 86.3

このポジションから発生する損益は以下のグラフのようになります。

予想通りにレンジ内に収まった場合、4,800円の利益が出ます。逆に予想が外れてしまった場合は15,200円の損失が出ることになります。為替相場って時に一方方向に突き進むときと、レンジで膠着してしまう時がありますよね。特にレンジ相場になってしまった場合は、今までのFXではなかなか思ったようにポジションメイクすることが難しいのですが、バイナリーオプションを用いることによって、レンジ相場で収益チャンスを追求することができます。

アウト・オブ・レンジ戦略

上記のレンジ戦略と全く逆となります。現在のレンジから外れることを期待してポジションをとることができます。先程の例で売り買いを全く逆にしてみましょう。

銘柄 売買 取引ロット数 約定価格
USD/JPY 98.50より上昇 買い 0.2ロット 15.0
USD/JPY 97.50より上昇 売り 0.2ロット 81.3

このポジションはレンジ戦略と全く逆の損益図を描くことになります。

USDJPYが97.5円未満または98.5円以上となった場合には13,260円の利益を獲得できます。一方レンジ内に収まってしまった場合の損失額は6,740円となります。

レンジ戦略、アウト・オブ・レンジ戦略自体は非常に単純かつ分かりやすいのではないでしょうか。バイナリーオプションの1銘柄を単純に売ったり買ったりするというのは、相場が上がるのか下がるのかの相場観を試すことになりますが、レンジ戦略であれば、相場の動意に対して収益チャンスを狙うことになります。

ここにご紹介したのは非常に単純なバイナリーオプションのトレード手法になります。たとえば、日本やアジア各国の株価指数の上昇を見て、ヨーロッパやアメリカの株価指数のバイナリーオプションを買っておくとか、バイナリーオプションの様々なストライクプライスの売買を組み合わせると、より複雑な損益図を描くことができます。是非いろいろ試してみて、自分なりの戦略を確立してみてください。

雑誌「FX攻略.com」 9月号掲載